Futures Japan HIV陽性者のためのウェブ調査

調査結果

10. この調査について

この調査で関心を持ったセクション

ここまで9セクションのうち、関心を持ったセクションを複数回答形式であげてもらったところ、特に多かったのは「恋愛・性の健康」、ついで多かったのは「健康管理・日常生活」「心の健康」「周囲の人々は社会との関係」の順となっていました。

図10-1 この調査で関心を持ったセクション(n=1038)
図10-1 この調査で関心を持ったセクション(n=1038)

「第1回HIV陽性者のためのウェブ調査」の結果を見たことがあるか

2013年7月から2014年2月にかけて実施した「第1回HIV陽性者のためのウェブ調査」の結果をこれまで見たことがあるかを聞いた結果、「いいえ」が70.2%、「はい」が29.7%(無回答1人)でした。  どこで見たのかをたずねたところ、表10-1のように、Webサイト(「サマリー」、「グラフで見るFJ調査結果」)で見た人が4割以上(43.2%)でした。 一方で冊子(「グラフで見るJ調査結果」、「JaNP+ニューズレター」、「ポジティブなSEX LIFE」、「ゲイ・バイセクシュアル向けのコミュニティペーパー」「医療者と患者のコミュニケーションガイド」)で見た人も3割(30.6%)いました。

表10-1 どこで「第1回HIV陽性者のためのウェブ調査」の結果を見たか(n=1038)
人数
FJ Webサマリー 182
FJ Web「グラフで見るFJ調査結果」 84
冊子「グラフで見るJ調査結果」 70
JaNP+ニューズレター 49
冊子「ポジティブなSEX LIFE」 32
他の陽性者から 27
調査結果報告会 26
NPO/NGOから 26
コミュニティペーパー 25
学会報告 22
JaNP+の厚生省への要望書 16
勉強会・講演会 15
冊子「医療者と患者のコミュニケーションガイド」 12
その他 11
陽性者向けwebセミナー 7
記者会見 7
ストレス対処力UP!ワークショップ 4
まちづくりセッション 1

第1回調査に参加したり結果を見たりして、自身に変化があったか(自由記載)

回答者160人(うち、「特になし」67人)の回答には、「自身の立ち位置(様々なタイプがあるが一緒だという部分もあること)の確認ができた」という記載が多くみられました。以下、代表的なもの及び特徴的な記述を示します。

  • 自分の立ち位置を客観的な数字で見ることができるということは、とても有益なことだったと思う。 行動に関してあらゆる答えがあることから、自分や他の陽性者の行動に対して正解不正解のジャッジをしなくなったような気がする。
  • 自分の生活や考え方など改めて見つめ直すきっかけになった。 自分と同じように、生きづらさを一人で抱え込んでいる人がいるという事実が 分かっただけでも少しほっとしたように思う。
  • 感染がわかった時、HIVについての知識がほとんどなくてこれから自分はどうなってしまうのかと不安に思っていたので、調査結果は他のHIV陽性の方がどんな生活を送っているのを知る良いツールでした。HIV陽性であっても、抱えている健康上の悩みが非感染の人とあまり変わらず、日常生活も普通に送れている様子が読み取れたので励まされたことを覚えています。インターネットでも情報は得られますが、ネガティヴな内容が多かったり、日常生活についてはあまりわからなかったので、普段の生活についてフラットな情報を得ることができたのでとても参考になりました。
  • 地域差の大きさにかなり驚くとともに、その地域によって優先事項が違うんだろうな思いました。

第3回目の調査で期待すること(自由記載)

回答者329人(うち、「特になし」71人)の回答からしますと、老後への備え(仕事・貯蓄・保険など)、服薬の長期的な影響,セックス事情についてのニーズが多いことがわかりました。

頻出語

薬:28,老後:27,不安:20,セックス:18,治療:19,将来・未来13,性:13,変化:13,雇用・仕事・就労:12,介護・福祉:11,医療:11

以下、代表的なもの及び特徴的な記述を示します。なお、頻出語には下線を記してあります。

  • 老後について! 親の老人ホームの入居にあたってかなりいろいろと調べたのですが、HIVを含むさまざまな感染症をもっている場合入居を断られたり順番待ちになるケースがあります。入浴時にも 順番を後回しにされるとか... 万一HIV陽性者が(若年)認知症になった場合、独居だと一人でが飲めなくなる可能性が限りなく高い(投薬していることを忘れてしまう)ので第三者のサポートが絶対に必要になります。 さまざまな介護サービスを受けるには身元引受人が必要ですが... これを誰に指名するか、という問題もあります。 大多数のHIV陽性者が 結婚していない、もしくは 将来的に自分を扶養してくれるであろう配偶者や子どものいないケースにあてはまると思うのです.... 長期生存が可能になっている時代です。 できるだけ前から将来への準備に対する興味を促すような項目を含ませてくださいね。
  • 加入出来る保険について。
  • 性生活についての調査をもう少し、わかりやすくして欲しい。
  • 受診して良かったと思う医療機関名、逆に悪かったと思う医療機関名を教えてください。があると、よいと思う。
  • セックスネットワーク/上半身(セックスではない)ネットワークと、メンタルヘルスの関係がわかるような調査項目。セックスに重きを置いている人が多いが、高齢化あるいはHIV陽性と知って自らのセクシュアルな価値を低く感じていったときに、どのようになっていくのか。また、それぞれが有しているネットワークとどのように関係しているのか、していないのかが知りたい。つまり、若さのあとに長い老後が来る自体の生き方が見えてくると役に立つのではないかと思う。
  • ゲイ男性では特に性志向(*ママ)や性交渉の仕方プレイ内容なども重要だと思います(匿名で率直に答えられる状況必須)
  • LGBTの項目がカミングアウトすべき、又はしている前提での設問は無くして欲しい。
  • 感染発覚直後で、諦めた、または新たに出来た目標などの有無 ・現在は変わったか否か(変わったなら、感染後どのくらい経っているか)