調査結果
はじめに
「第2回調査結果サマリー(概要)」とは
HIV陽性者向けの大規模なウェブアンケート調査「Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~」の第2回目調査の集計結果(一部)を紹介したものです。
調査に参加していただいたHIV陽性者のみなさん、調査協力をしてくれたNGOや医療従事者、研究者など、幅広く多くの方々にこの結果をフィードバックするために、集計結果を公表しています。
この調査研究について
1.目的
HIV陽性者の支援をしていく上で、健康保持・増進に関連するHIV陽性者ならではの支援ニーズとして重点的な項目は何だと考えられるのかを明らかにすること。
2.対象と方法
- 調査期間:2016年12月25日から2017年7月25日まで
- 調査対象:HIV陽性であることが検査ですでにわかっている日本国内在住のHIV陽性者。
- 調査方法:無記名自記式ウェブ調査。
- 調査回答者:1,110人
- 分析対象:2017年9-10月にかけて回答されたデータを精査し、不正回答・重複回答・日本国外在住者の除外の作業を行い、1038人の回答を有効回答と判断し、分析対象としました。サマリーでは特に記載がない場合、1038人中の割合を%などで示しています。ただし項目によっては無回答者を除外して集計した結果を示しています。
3.調査研究のプロセス
当事者参加型リサーチ形式の一環として、全国のHIV陽性者15名に研究者も加わる形でのレファレンスグループ会議を開催しました。また、それだけでは足りないために、補うために、個別で話し合いの場を設けたり、ML上で相互にやりとりをしたりしました。
調査回答協力者のリクルートでは、オンラインおよびオフラインにより多角的に行うことにしました。
オンラインでは、HIV関連NGOウェブページでのバナー展開、HIV陽性者限定参加SNSでのバナー展開とPR、TwitterとFacebook展開、公式Twitterと公式Facebook展開、MSM(men who have sex with men)向けサイトやスマホアプリでのバナー広告展開などを実施しました。
一方、オフラインでは、HIV診療拠点病院やHIV診療を行っている医療機関、MSMコミュニティセンター、HIV関連NGOなどでのフライヤー(チラシ)配布とニューズレター等での記事掲載を主に行いました。
さらに、HIVに関連する全国のNGO・NPO・コミュニティセンターなど、総計23の機関の協力を得ることとなり、加えて、もしも回答中に回答協力者が調子悪くなった場合の電話相談対応窓口について5つの機関が対応・担当してくれました。
4.倫理的配慮
調査データの扱いの際には、プライバシーを十分に守り、また個人を特定される恐れがあるデータが万一あった場合には個人を特定されないような形にしました。回答データはSSLにより暗号化されて送信される形をとりました。回答されたデータそのものはHIV Futures Japanプロジェクトの研究者グループメンバー以外の人々の目に触れることはありません。
研究実施をするにあたり、倫理的な配慮がきちんとされているか、さらに追加で対応しなければならないことはないかを審査してもらうために、放送大学及び国立病院機構大阪医療センターに申請し、以下のように承認を得ました。
- 放送大学研究倫理委員会 承認番号23,(2016年)
- 国立病院機構大阪医療センター受諾研究審査委員会 整理番号17012
謝辞
この場をお借りして調査に協力・参加いただいた多くの方々に改めてお礼を申し上げます。
Futures Japanとは
HIV Futures Japanプロジェクト(略してFutures Japan)は2012年に立ち上がりました。「当事者参加型形式」というアプローチをとるプロジェクトとし、数多くのHIV陽性者の方々の参加のもと、以下の2つの面から、HIV陽性者のQOL(生活の質)向上を目指しています。
- 「HIV陽性者のための総合情報サイト」の開設と運営。
- 日本国内在住のHIV陽性者約1,000人以上を調査回答協力者として想定した「HIV陽性者のためのウェブ調査」を約3年に一度実施することによる、ニーズ把握と支援策提言・実現への働きかけ。