調査結果
1.あなたご自身のこと
分析対象件数
HIV Futures Japanプロジェクトにより実施された「第2回HIV陽性者のためのウェブ調査」に寄せられた回答総計1,110件のうち、不正回答データ及び国外在住者を除き、日本国内在住のHIV陽性者1,038人による回答を有効回答と判断し分析対象としました。第1回調査では分析対象者数は913人でしたから、今回の第2回調査では第1回調査に比べて125人多くなったことになります。 なお、調査結果サマリーでは、一部、無回答を除いた割合を表記しています。
性別・セクシュアリティ
性別は男性が1010人(97.3%)、女性が20人(1.9%),その他・答えたくないと回答した者が7人(0.7%)でした(図1-1)。セクシュアリティについては、ゲイが896人(86.0%)ともっとも多く、バイセクシュアルが96人(9.2%)、ヘテロセクシュアルが36人(3.5%)と続いていました(図1-2)。前回調査と比較すると、ヘテロセクシュアルの方が減少し、ゲイの方が増加していました。
年齢
回答者の年齢は18歳から69歳にわたっており、平均年齢は40.2歳でした(図1-3)。第1回調査と比べて20代・30代がやや少なく、40代・50代が多くなっていました。
居住地・婚姻状態・同居者・学歴
回答者の居住地は岩手県と山形県を除く45都道府県にわたっていました。もっとも多かったのは東京都(336人、32.4%)、次いで大阪府(134人、12.9%)でした(図1-4)。居住地は中心市街地の方が551人(53.1%)、郊外住宅地が429人(41.3%)であり、中心市街地・郊外住宅地で9割以上を占めていました(図1-4)。
HIV陽性であることを理由に引っ越した経験がある方は42人(4.1%)おられました。
婚姻状況については、「結婚したことはない」方が87.9%と大部分を占めており、同居状況については550人(53.0%)が一人暮らし、親と同居している方が257人(24.8%)でした。第1回調査と比較すると一人暮らしの方が多くなっていました。
最終学歴は大学が479人(46.1%)、高校が237人(22.8%)、専門学校が188人(18.1%)でした。
HIV陽性者を対象としたアンケート調査の協力経験
HIV陽性者を対象としたアンケート調査への協力経験については、経験がある方が534人(51.4%)でした(図1-5)。経験がある方の協力回数は1回から55回にわたっており、協力回数は1〜3回がもっとも多くなっていました(424人、40.8%)。
本調査を知ったきっかけは「インターネット上のブログや掲示板」が255人(24.6%)ともっとも多く、次いで「Futures Japanの総合情報サイト」が128人(9.8%)でした(図1-6)。第1回調査と比較すると、「Futures Japanの総合情報サイト」や「某GPS機能付きアプリ広告」経由で知った者が多くなり、「twitter」や「医療関係スタッフ」経由で知った者は少なくなっていました。
回答に使用した端末はスマートフォンが715人(68.9%)ともっとも多く、次いで自分の所有するパソコンが232人(22.4%)でした。前回調査と比べると、スマートフォンで回答した者がほぼ倍増しており、パソコンで回答した者が約3分の1になっていました。
HIV陽性とわかったときの状況
HIV陽性であることを知った時期は1987年から2017年でした(図1-7)。現在に近い時点で知った方が多い傾向にあることがわかります。第1回調査時期(2014年)以降に陽性であることを知った方は268人でした。
就労とくらしむき
仕事の有無を見ると(先月末の1週間に、1時間以上、収入を伴う仕事をしましたか?とたずねています)、有職者は84.0%、休職者は 2.2%、無職者は、求職中が4.3%、無職で求職活動なしが9.3%でした(無回答1人)(図1-8)。
有職者・休職者で働き方について、該当する895人について集計し割合を見たところ、正規社員・職員が62.1%、パート・アルバイトが 11.3%、臨時・ 契約・嘱託社員/職員が10.7%であり(図1-9)、職種別にみると専門職・技術職(医師、看護師、介護福祉士、弁護士、教師、技術者、デザイナーなど専門的知識・技術を必要とするもの)が33.6%、次いで事務職(企業・官公庁における一般事務、経理、内勤の営業など)が23.6%、サービス職(理・美容師、料理人、ウェイトレス、ホームヘルパーなど)が12.8%、販売職(小売(スーパー・コンビニ・デパート・商店)・卸売店主、店員、不動産売買、保険外交、外勤のセールスなど)が10.8%、生産現場職・技能職(製品製造・組立、自動車整備、建設作業員、大工、電気工事、食品、農水産物加工など)が7.2%でした(無回答2人)。
自身の就労による収入で生計を立てている回答者が84.3%でした(無回答1名)。
2016年の就労による収入(税込)は、100 万円以上300 万円未満が 30.8%、300 万円以上500万円未満が 30.4%、500万円以上800万円未満が17.7%、100万円未満が13.6%でした(図1-10)。
現在の 暮らしの状況については、大変苦しい 14.7%、やや苦しい 35.9%、ふつう 36.6%、ややゆとりがある 10.7%、大変ゆとりがある 1.9%(無回答1人)であり、今後の生活に対する経済面での不安や問題については、おおいにある 53.1%、少しある 36.6%、あまりない9.0%、全くない 1.3%という結果となり、大多数の回答者が現在の生活に対する困難や、経済的な不安を抱えていることがうかがえました。