Futures Japan HIV陽性者のためのウェブ調査

調査結果

はじめに

「調査結果サマリー(概要)WEB版」とは

日本で初めてのHIV陽性者向けの大規模なウェブアンケート調査「Futures Japan ~HIV陽性者のためのウェブ調査~」の集計結果の概要です。

調査に参加していただいたHIV陽性者のみなさん、調査協力をしてくれたNGOや医療従事者、研究者など、幅広く多くの方々にこの結果をフィードバックするために、このWEB版を開設しました。

この調査研究について

1.目的

HIV陽性者の支援をしていく上で、健康保持・増進に関連するHIV陽性者ならではの支援ニーズとして重点的な項目は何だと考えられるのかを明らかにすること。

具体的には、属性、健康状態、通院、セクシュアルヘルス、アディクション、子どもをもつこと、周囲の人々や社会との関係、心の健康、健康管理・福祉・支援策などを調査項目とし、HIV陽性者のQOL(生活の質)を総合的に捉えること。また健康状態や心の健康などと他の変数間の関連を分析することにより、それらの関連要因を検討すること。以上の結果をもとに、HIV陽性者の健康保持・増進に向けた支援ニーズの明確化と支援施策の整備の方向性を定め、HIV陽性者のヘルス・プロモーションを図ろうとすること。

2.対象と方法

  • 調査期間:2013年7月20日から2014年2月25日まで
  • 調査対象:HIV陽性であることが検査ですでにわかっている日本国内在住のHIV陽性者。
  • 調査方法:無記名自記式ウェブ調査。ただし、ただし沖縄県の一部地域に限り、印刷媒体による調査も併用しました。
  • 調査回答者:1,095人
  • 分析対象: 2014年3-4月にかけて回答されたデータを精査し、不正回答・重複回答の除外の作業を行い、917人の回答を有効回答と判断(有効回答率83.7%)。分析対象は、国外在住の4人を除く913人のデータ。

3.調査研究のプロセス

当事者参加型リサーチ形式の一環として、全国のHIV陽性者20名に研究者も加わる形でのレファレンスグループ会議を3回(12年7月、13年2月・6月)開催しました。また、それだけでは足りないために、補うために、個別で話し合いの場を設けたり、ML上で相互にやりとりをしたり(13年7月20日までで245回)しました。

調査回答協力者のリクルートでは、広報をおもに担当する組織として、HIV陽性者の方々が中心となった「広報ワーキンググループ」を設け、オンラインおよびオフラインにより、リクルートを多角的に行うことにしました。

オンラインでは、HIV関連NGOウェブページでのバナー展開、HIV陽性者限定参加SNSでのバナー展開とPR、TwitterとFacebook展開、公式Twitterと公式Facebook展開、MSM(men who have sex with men)向けサイトやスマホアプリでのバナー広告展開、HIV陽性者によるブログでの調査紹介協力などを実施しました。

一方、オフラインでは、HIV診療拠点病院やHIV診療を行っている医療機関、MSMコミュニティセンター、HIV関連NGOなどでのフライヤー(チラシ)配布とニューズレター等での記事掲載を主に行いました。

さらに、HIVに関連する全国のNGO・NPO・コミュニティセンターなど、総計21の機関の協力を得ることとなり、加えて、もしも回答中に回答協力者が調子悪くなった場合の電話相談対応窓口について5つの機関が対応・担当してくれました。

4.倫理的配慮

調査データの扱いの際には、プライバシーを十分に守り、また個人を特定される恐れがあるデータが万一あった場合には個人を特定されないような形にしました。回答データはSSLにより暗号化されて送信される形をとりました。回答されたデータそのものはHIV Futures Japanプロジェクトの研究者グループメンバー以外の人々の目に触れることはありません。

研究実施をするにあたり、倫理的な配慮がきちんとされているか、さらに追加で対応しなければならないことはないかを審査してもらうために、放送大学及び国立病院機構大阪医療センターの研究倫理委員会に申請しました。そして、審査を経て承認を得ました。

謝辞

この場をお借りして調査に協力・参加いただいた多くの方々に改めてお礼を申し上げます。

「HIV陽性者のためのウェブ調査」は、以下の研究助成を受け、共同調査プロジェクトとして実施しました。

2012-2014年度厚生労働科学研究費補助金「HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究」(研究代表者:白阪琢磨、研究分担者:井上洋士)(セクシュアルヘルスのセクション)

2012-2014年度日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究(B)「HIV陽性者のヘルス・プロモーション支援に向けた当事者参加型調査研究」(研究課題番号:24330158、研究代表者:井上洋士)(上記以外のセクション)

Futures Japanとは

HIV Futures Japanプロジェクトは2012年に立ち上がりました。「当事者参加型形式」というアプローチをとるプロジェクトとし、数多くのHIV陽性者の方々の参加のもと、以下の2つの面から、HIV陽性者のQOL(生活の質)向上を目指しています。

  1. 「HIV陽性者のための総合情報サイト」の開設と運営。
  2. 日本国内在住のHIV陽性者約1,000人を調査回答協力者として想定した「HIV陽性者のためのウェブ調査」実施によるニーズ把握と支援策提言・実現への働きかけ。

詳しくはこちら(http://survey.futures-japan.jp/about/